カーニバルをつくる 浅草サンバカーニバル2018

毎年8月下旬に催され、約50万人を動員する浅草サンバカーニバル。出場チームはテーマに沿ったパフォーマンスを披露し、興奮と感動の渦を巻き起こします。

その一方で浅草サンバカーニバルは、出場チームが順位を競い合うコンテストでもあります。順位争いは、S1リーグ、S2リーグの2部制で行われ、S1最下位はS2に降格、S2で優勝するとS1に昇格という厳格なルールが定められており、どのチームも本気のパフォーマンスを披露しているのです。

S1リーグに所属するサウーヂは、9月から翌年の8月まで1年がかりでカーニバルの準備を。カルナバレスコ(総合演出家、女性の場合は「カルナバレスカ」))の指揮の元、衣装班やアレゴリア班といった様々なセクションがカーニバルに向かって突き進んでいきます。

何はともあれ「とにかくカーニバルに出てみたい!」という人はこちらからどうぞ!

カーニバルができるまで<秋~冬>

テーマ選考 (9~10月)

翌年のカーニバルで題材にするテーマをメンバーから公募。吟味検討の末にカルナバレスコがひとつのテーマを決定します。

シノプスを書く (11~12月)

「カーニバルで何を訴え、どんな表現をするのか」――。決定したテーマを元に、カルナバレスコが「シノプス」と呼ばれる筋書きを書き上げます。

シノプスには、ヂスフィーレ構成のイメージや、サンバ・ヂ・エンヘードの曲想などが盛り込まれ、カーニバル作りに参加する全メンバーのインスピレーションのよりどころとなります。

サンバ・ヂ・エンヘードをつくる (12~3月)

シノプスが仕上がった後は、カーニバルのテーマ曲となるサンバ・ヂ・エンヘードの作曲がはじまることに。「われこそは!」というコンポジトール(作曲者)が作った楽曲を、「エリミナトリアス・サンバ・ヂ・エンヘード」という選考会にかけて選んでいきます。

「エリミナトリアス・サンバ・ヂ・エンヘード」の選考は3段階で進行。2次選考、3次選考はライブ形式で行われ、ノリやすさ、歌いやすさなどを、メンバーが楽しみながらチェックしていきます。

ファンタジア、アレゴリアのデザインを練る (12月~3月)

サンバ・ヂ・エンヘードの作成と並行して、ファンタジア(衣装)とアレゴリア(山車)のデザインもスタート。テーマやシノプスを具現化すべく、デザイナーや設計者たちがイメージを膨らませていきます。近年は衣装に適した生地を求めて、衣装班による韓国ツアーも行われています。

キャスティングの構想もこの時期から。「本番で誰が何を演じるか」「何人でパフォーマンスするか」を想定し、衣装のサイズや製作数を検討していきます。

カーニバルができるまで<春~夏>

サンバ・ヂ・エンヘードのアレンジ、レコーディング(4~5月)

エリミナトリア・サンバ・ヂ・エンヘードで選ばれた曲のアレンジを練り、演奏がいっそう盛り上がるようなアレンジを練ります。

アレンジが固まり、バテリア全パートの演奏内容を確定した後は、選抜メンバーによるレコーディングを実施。仕上がった音源は、浅草サンバカーニバル前にCD化され、一般向けにも販売されます。

ファンタジアのサンプル作成、ブラジル発注 (4~5月)

デザインやキャスティングが決まると、衣装班はファンタジアのサンプルを作りはじめます。完成したサンプルがは、サウーヂのイベントで発表されることに。

同じ時期に、一部のファンタジアはブラジルの工房で製作されます。質の高いファンタジアを作ってもらうために、担当メンバーは入念な打ち合わせを行います。

ファンタジアの量産、アレゴリアの製作 (6~8月)



衣装班、アレゴリア班の作業が本格始動。ダンサー、バテリアも協力し、サウーヂ全員で一丸となって作業を進めていきます。

衣装の量産は、主に野毛坂に面した「急な坂スタジオ」で。アレゴリアは「アトリエ」で作業を進め、台車部分やメインの造形物、装飾パーツなどを作りあげます。

練習、練習、練習!!! (6~8月)

衣装班、アレゴリア班が作業を進める一方で、バテリアやダンサー、出演陣は、集中的にパフォーマンスを磨き上げていきます。本番を想定した野外練習も毎年恒例です。

バテリアは、毎年7月に一泊二日の合宿を実施。サンバ・ヂ・エンヘードの演奏を仕上げるだけでなく、バテリア全体の一体感を高めていきます。

ゲネプロ (本番一週間前)

国内生産のファンタジアを仕上げ、ブラジル発注のファンタジアも受け取りを済ませ、本番を想定したゲネプロ(リハーサル)を行います。

振り付けや衣装の強度などをチェックして、本番でトラブルが起きないように対策を講じていきます。

アレゴリアの組み立て (本番前々日~出走前)

 

本番の前々日、浅草寺裏の広場に運び込まれたアレゴリアのパーツを、アレゴリア班のメンバーが2日がかりで組みあげます。炎天下の中、アレゴリアに魂を吹き込む作業はカーニバル準備の大佳境。雨などのトラブルで、装飾作業が出走直前まで及ぶことも。

本番



ついに本番! サンバ・ヂ・エンヘード、ファンタジア、パフォーマンス、アレゴリアが集結し、本番で初めてヂスフィーレが完成します。言葉にならない感動を味わえる瞬間でもあり、たった45分で消えてしまう儚い夢の時間でもあります。

灰の日曜日
カーニバルは8月の最終土曜日に開催され、その晩には打ち上げが。そして明くる日曜日は「片付け」にあてられます。役目を終えたアレゴリアやアーラ衣装は解体・処分され、やがて灰となる運命に。同時に自分たちも、カーニバル疲れと片付け疲れで、燃え尽きて灰になり……。それゆえ、カーニバル翌日は「灰の日曜日」と呼ばれています。「灰の日曜日までやり切ってこそのカーニバルだ」と語るサウーヂメンバーも多くいます。

オブリガードな日、解体作業(9月)

本番を終えたあとは、全セクションのメンバーが集結。1年の労をねぎらい合う「オブリガードな会」が催されます。本番映像の上映に加え、お酒やサンバ・エンヘードの歌い収めなどで大いに盛り上がります。

そして最後に、カーニバルのために製作したあらゆるものを解体。ファンタジアやアレゴリアはすべて廃棄される運命に。その年の栄光や失敗を引きずらず、翌年のカーニバルに向けて動き出します。

カーニバルができるまで<番外編>

カーニバルは出演者だけではつくれない!!

ダンサー、パフォーマー、バテリア、各アーラの出演者だけではカーニバルは作れません。衣装班、アレゴリア班、運営陣の他に、いろいろなスタッフの働きでカーニバルは成立しています。カーニバルに欠かせないスタッフの一部をご紹介します。

アルモニア

隊列の乱れや、アーラ間の距離などを整え、ヂスフィーレ全体を美しく見せるための調整役。ヂスフィーレを俯瞰できる能力や、豊富な経験、カーニバルの理解度などが必要な役どころです。

ヘスガッチ

ヂスフィーレに並走し、出演者に水を手渡す給水係。カーニバルは8月に行われるため、ヘスガッチの存在は出演者にとっての生命線となります。

山車押し

人力でアレゴリアを押すグループで、サウーヂでの通称は“アレゴリアンズ”。ヂスフィーレの要となるアレゴリアも、彼らのマンパワーなしでは動きません。カーニバルに不可欠な存在です。

音響スタッフ

音響車両に搭載したPA設備を用い、バテリアの演奏、弦楽器、歌などの音声をミキシング。ヂスフィーレに出演する全メンバーや、沿道の観客にサンバ・ヂ・エンヘードを届けます。

タイムキーパー

決められた時刻に出走し、決められた制限時間内でヂスフィーレの最後尾がフィニッシュできるよう時間を管理します。

カーニバルに出てみたい人、集まれ!

「カーニバルに出てみたいけど、定期的な練習参加ができない」「サウーヂに興味はあるけど、作業を手伝えそうもない」という人は、ぜひ「アーラ」や「当日アーラ」にお申し込みください。

「アーラ」とは、ヂスフィーレ(パレードの隊列)を構成するグループのこと。数回の事前練習でカーニバルに出演できるアーラや、本番当日の練習のみで出演できる当日アーラの出演者募集が、すでに当ウェブサイトでスタートしています。

あっという間に出演枠が埋まってしまうアーラもありますので、今すぐチェック!